Rancher利用後に壊れたWSL環境を再構築した手順#

過去に Windows 上で Rancher を導入していた影響で、wsl install が正常に動作せず、WSL2 を利用できない状態が続いていた。今回、その WSL 環境を完全に初期化し、再構築することに成功したので、その手順を記録しておく。

背景と問題の発生状況#

以前、Docker Desktop や Rancher Desktop を導入した経緯があり、WSL の仮想環境に docker-desktoprancher-desktop などのディストリビューションが自動で追加されていた。

これらをアンインストールした後も、wsl install コマンドがエラーを返すようになり、Ubuntu を含む WSL 環境の導入が一切できない状態に。

原因は、おそらく WSLの内部状態が壊れていた ことにある。

解決のためのアプローチ#

以下の手順で、WSL を一度完全に初期化し、再インストールを行った。

  1. 現在の WSL 状態の確認

    wsl --list --all --verbose
    
  2. 不要なディストリビューションの削除

    wsl --unregister docker-desktop
    wsl --unregister docker-desktop-data
    wsl --unregister rancher-desktop
    
  3. WSL 機能を完全に無効化

    dism.exe /online /disable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /norestart
    dism.exe /online /disable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /norestart
    

    再起動を実施。

  4. WSL 機能の再有効化

    dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
    dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
    

    再び再起動。

  5. WSL の再インストール

    wsl --install
    

    これで再び Ubuntu などの WSL ディストリビューションがインストール可能な状態に戻った。

今後の方針と教訓#

  • Rancher Desktop や Docker Desktop のアンインストール後でも、WSL 内部に痕跡が残っている場合がある。

  • `wsl –unregister` + `dism` のセットによる初期化が有効 だった。

  • 開発マシンで仮想化関連ツールを切り替える場合は、WSL の状態管理にも注意が必要。

  • 今後は WSL の破損時に備え、定期的な wsl –export によるバックアップも検討したい。

記事情報

著者:

mtakagishi

公開日:

2025-07-05