ChatGPT「プロジェクト」機能の実践ノート#

このページでは、 ChatGPT-4o / o3 系の「プロジェクト」機能 を Python 開発を中心とした問題解決ワークフローに組み込む方法を整理します。 機能の概要からモデル選定、巨大リポジトリの取り扱い、限界と対策まで 自分用メモ+ブログ記事を兼ねた備忘録です。

プロジェクト機能とは#

  • チャット履歴・ファイル・カスタム指示 を 1 テーマに束ねる“作業部屋”

  • 同一プロジェクト内なら アップロード済み資料 をすべてのチャットで共有

  • Plus/Teams 以上の有料プランで利用可(2025-06-04 時点)

活用シナリオ#

  • 研究メモ – 論文 PDF +コードスニペットを放り込み、毎週 Q&A

  • リポジトリ改善 – Git diff を貼ってリファクタ方針を議論

  • イベント企画 – スプレッドシートと議事録を 1 か所に集約

モデル選定ガイド#

モデル比較#

モデル

強み

想定タスク

GPT-4o

速い・安い・画像/音声も可

仕様書 PDF+設計図レビュー

o3

推論精度トップクラス

難解バグ解析、数理最適化

o3-mini / o4-mini

軽量・高速

定型生成、CI 用スクリプト

実運用サンプル

  1. 初期調査 → GPT-4o

  2. 詰まったら → o3 にスイッチ

  3. YAML 量産など小物 → mini 系

巨大プロジェクトの“最新ソース”同期術#

ChatGPT が参照できる情報源は (1) チャット履歴(2) アップロードファイル(3) 明示的に読み込ませた URL の三つだけ。 規模が膨らむほど “与え方” が重要になります。

同期パターン#

  • フル ZIP 定期アップロード – 週 1 で git archive 出力を丸ごと

  • インクリメンタル diff – PR ごとに git diff main..HEAD を貼付

  • 要約ドキュメント – 主要モジュールの責務を Markdown 1 枚に凝縮

  • 自動生成メタ資料 – 依存グラフや ERD を SVG で添付

おすすめ運用フロー#

運用テンプレ#

タイミング

アクション

目的

PR マージ時

diff を ChatGPT に要約させて summary.md 追記

“脳内 Wiki” を更新

週次

main を ZIP で再同期

漏れ取り・キャッシュ更新

新チャット開始時

summary.md +直近 diff をまず添付

新コンテキストの初期化

機能完了時

「設計図を PlantUML で」など図を再生成

可視化ドキュメント整備

把握度テスト用プロンプト例

あなたが現在把握しているフォルダ構造と各モジュールの責務を
300 words 以内で要約して下さい。

返答が古ければ、その時点で追加ファイルを再投入。

限界と注意点#

  • トークン上限 – 128 k を超えると古い履歴から自然に落ちる → 要約レイヤーで情報を圧縮

  • GitHub deep research は Read-Only – 自動で追従しない → 変更後は再 fetch を促す

  • セキュリティ – 秘匿コードはモック化、API キーは必ず Secret 管理

  • 最終責任は人間 – コミット・マージは必ず手元で CI/レビュー

まとめ#

  1. プロジェクト = “AI 用ワークスペース” 。資料と指示を整理すると再利用効率が跳ね上がる。

  2. モデルは GPT-4o を基軸に o3 を切り札として併用

  3. 同期はフル ZIP+diff+要約のカスケード でスケール。

  4. 理解度チェック用プロンプトを常備 し、ギャップが出たら即アップデート。

これで 「どこまで AI が把握しているか」 を見える化しながら 大規模コードベースでも安全に ChatGPT を戦力化できます。

記事情報

著者:

mtakagishi

公開日:

2025-06-04